学校だより

「あいさつ」のもつ力

校長  古川 明子

 

 

 新年度が始まって約1か月、新緑がまぶしい季節となりました。毎朝正門前で登校中の二東生に「おはようございます!」とあいさつすると、大きな声で挨拶を返してくれます。生徒会本部の皆さんも、毎週水曜日と専門委員会後の放課後にあいさつ運動を実施しています。第二東中学校で意識してほしい、合言葉である「スマイル」の「ル」は「ルールを守る」。正しいことは正しい、間違っていることは間違っているという規範意識をもち、「あいさつをしっかりとできる」ことです。自分自身が正しくあること、礼儀正しくあることを目指してもらいたいと考えていますが、なぜ、「あいさつ」をすることが推奨されるのでしょうか。

 あいさつは、漢字で表すと「挨拶」。それぞれの漢字を調べると、「挨」には「心を開く」、「拶」には「相手に近づく」という意味があります。人間関係を築くには、相手に心を開き、自分から相手に近づいていく必要があります。その第一歩となるのが、あいさつです。実際、あいさつをしっかりとした上で、心を開いて相手に近づいていくと、人間関係が円滑に進みます。では、心を開いて、相手に近づく「あいさつ」には、どんな力があるでしょうか。

 1つ目として、自分自身の気持ちをポジティブにしてくれる力があります。特に朝のあいさつは、その日一日のスタートを気持ちの良い、すがすがしいものにしてくれます。もし昨日嫌なことがあって、暗い気持ちが残っていたとしても、大きな声であいさつをしているうちに気持ちが晴れてくることもあります。いつも意識的に大きな声で元気にあいさつをする人は、気持ちが前向きです。前向きな人だから、元気にあいさつをするだけでなく、あいさつを続けることで、前向きな気持ちが高まっていくのです。

 2つ目として、あいさつをした相手によい印象を与え、よりよい人間関係づくりのきっかけとする力があります。あいさつは、「あなたの存在を認めていますよ」というメッセージです。あいさつをされて、嫌な気持ちになる人はいません。むしろ、あいさつをしないことで、「あなたのことを認めていない」と不愉快な思いをさせることでしょう。相手の存在を認める「あいさつ」はコミュニケーションの、人間関係づくりの大事な第一歩です。

 3つ目として、礼儀正しい人、常識のある人であることを示す力があります。あいさつは、基本的な社会のマナーであり、日本に限らず、世界中で当たり前に行われている礼儀の基本です。あいさつをするとき、人は無意識のうちに笑顔になります。大きな声で相手の目を見て笑顔であいさつをすること、これを繰り返すことで、自分自身も相手もポジティブな気持ちになり、関係性もよくなる・・・、「あいさつ」のもつ力は偉大です。

 二東生の皆さん、「あいさつ」のもつ力をあなたの力にしてください。あいさつを通して、皆さんが過ごす環境を、自分自身も周りの人も、誰もが心地よい、Well-being(幸せ)を感じられる空間に創り上げていきましょう!

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