学校だより
想像力と思いやり
校長 古川 明子
「『いじめ』はいじめる子に想像力をもってもらうことでしか、止まらない」
この言葉は、当時小学校6年生だったタレントの春名 風花さんの言葉です。春名さんは、インターネット上で誹謗中傷を受けた経験から、「いじめている君へ」というメッセージを通して、あなたがいじめている相手には、生まれてきたことを心から喜び、世界中の誰よりも大切に思い、愛している人がいることを想像してほしい、そして、あなたを大切に思っている人が、あなたが誰かをいじめている姿をどう思うのかを想像してほしいと伝えています。
誰かが心から大切に思っている人を、傷つけてよい権利は、誰にもありません。同じように、誰かが心から大切に思っている人が、傷つけられてよい訳がないのです。だから、想像してみてほしいのです。自分の言葉が、行動が、誰かを苦しめたり、嫌な思いをさせたりしていないかどうかを。想像できるあなたなら、自分の言葉や行動に責任がもてるはずです。
でも、もし、いじめている人が、相手が傷ついていることを想像することができずに、いじめが止まなかったら、それに気付いたあなたは、どうしますか?傷ついている人の心が壊れてしまう前に、いじめに気付いたあなたは、何ができますか?
「あなたは、一人じゃないよ」と優しく声を掛けることができます。「大丈夫だよ、私がついているよ、味方だよ」と励ますことができます。一人で難しければ、仲間を見つけて、「やめなよ。それはいじめだよ」と止めることができます。家族や先生に、「○○さんが困っているから、助けてあげたい。何とかしてあげたい」と伝えて、相談することができます。
あなたの優しい言葉が、勇気ある行動が、傷ついている人の心を救うのです。いじめをなくす「環境」をつくるのは、あなたたち一人ひとりの思いやりのある言葉掛けや、勇気ある行動、そして、それを生み出す想像力に他ならないのです。
嫌な思いをして、傷ついているあなた。一人で悩まず、家族や先生、友達など、話せる人に話してみてください。いじめている誰かは、あなたが嫌だと感じていることを想像できないのかもしれません。自分からは難しくても、相談した誰かを通して、嫌なことは嫌だということを伝え、同じことが繰り返されないようにして、自分の大切な心を守っていきましょう。
二東生の合言葉である「スマイル」の「マ」は「まとまる」。他者への思いやりをもち、お互いが大切な存在であることを忘れずに、尊重し合うことです。あなたも、あなたの周りの人も、個人として尊重されるべき大切な存在であることを、ぜひ、心に留めておいてください。